住宅を取得したい人のために一定額まで利子が非課税となる制度、それが財形住宅貯蓄です。住宅財形とも呼ばれています。
財形貯蓄は企業が導入する福利厚生の一種です、毎月の給与から天引きされます。
そのため勤務先が財形貯蓄を取り扱っていないと利用できません。
今回はそんな財形住宅貯蓄について解説します。
財形住宅貯蓄を利用する条件
- 勤務先が財形貯蓄制度を導入している
- 満55歳未満の勤労者
- 積立期間が5年以上
- 建設・購入する住宅が50㎡以上
- リフォームの場合は75万円以上
- 勤労者本人が居住、単身赴任可
そもそも利子への課税って何?
私は最初に冒頭の説明を聞いてもちんぷんかんぷんでしたので簡単に説明します。
銀行などにお金を預けると利子が付きますね、2018年では普通預金で大手なら大体0.001%位、銀行によっては0.02%~0.1%なんてところもあります。
定期預金なら大手で0.01%、銀行によっては0.2%です。
実はこれからさらに税金が引かれます。(20.315% 2013年1月1日~2037年12月31日)
たとえば100万円を銀行に預けると1年でつく利子(課税前)は
利率0.001%の場合
100万×0.001÷100=10
10×15.315÷100=1.5315 端数切捨てで1円
10×5÷100=0.5 端数切捨てで0円
利子10円から税金として1円引かれて9円の利子がつくことになります。
利率0.02%の場合
100万×0.02÷100=200
200×15.315÷100=30.63 端数切捨てで30円
200×5÷100=10 端数切捨てで10円
税金として利子200円から40円引かれて160円の利子がつくことになります。
財形住宅貯蓄と定期預金どっちがいいの?
財形住宅貯蓄を利用する場合はこの利子に対する課税が貯蓄額550万円を限度につかなくなります。財形住宅貯蓄の利率は大手で0.01%くらいです。
皆さんもうお気づきですね、銀行によっては財形住宅貯蓄より普通預金の方が利率がいい場合があります。
財形住宅貯蓄、利率0.01%、貯蓄額550万円の場合
550万×0.02÷100=550
550円の利子がつくことになります。
定期預金、利率0.1%、貯蓄額550万円の場合
550万×0.1÷100=5500
5500×15.315÷100=842.325 端数切捨てで842円
5500×5÷100=275 端数切捨てで275円
税金として利子5500円から1117円引かれて4383円の利子がつくことになります。
利率が10倍なら圧倒的に定期預金の方がお得ですね。
財形がお得になる利率は?
以下の条件なら財形住宅貯蓄の方がお得になります。
財形利率 他利率
0.01% 0.01%以下
0.05% 0.06%以下
0.1% 0.12%以下
今後の金利によってお得かどうかわかれますが、財形住宅貯蓄は5年以上ためないといけないので始めるなら早い方がいいですね。
財形住宅貯蓄のメリット
前項で利率によっては課税されても他の預金の方がお得だと言いましたがそれでも財形住宅貯蓄を選ぶメリットがあります。
財形住宅融資が受けられる
住宅金融支援機構から財形貯蓄残高の10倍もしくは、住宅購入資金の90%いずれか低い額の融資を受けられます。(条件有)
他の住宅ローンを断られるかもしれないという場合は大きな保険になるかと思います。
給与から天引き
お金があるとつかってしまうといった人には強制的に貯蓄する財形がおすすめです。
財形住宅貯蓄の注意点
550万以上溜まると課税される
財形年金貯蓄と合わせて550万円以上には課税されます。
住宅以外の用途に使うと過去5年間分に課税される
財形住宅貯蓄をおろすには建物請負契約書や住民票、登記事項証明書の写しなどが必要になってきます。提出できない場合は過去5年間の利息に課税されます。
逆に言うと5年より前の利息には課税されないので利率が同じなら他の預金より5年より前分の課税分お得になります、推奨はしません。
あくまで住宅のみ利用、土地代は対象外
土地代には当てられません、あくまで住宅のみに利用できます。
住宅取得前は全額引き出せない
UFJ信託銀行では建物請負契約時点では90%までしか引き落とせませんでした。
申請してから引き出すまで時間がかかる
我が家は申請してから2週間ほどかかりました、余裕をもって申請しましょう。
財形住宅貯蓄以外にも頭金を用意すべし!
住宅ローンと財形住宅貯蓄だけで注文住宅を建てようとすると痛い目を見ます。
財形住宅貯蓄は土地代としては引き出せないからです。
じゃあ住宅ローンのつなぎローンで支払えばいいじゃないかと思いますが、
楽天銀行では土地代+諸費用まるまるは貸せない、だいたい9割までと言われました。
つまり土地代+諸費用の1割は自分の預貯金で賄わなければいけないのです。
先に言ってよ、いや書いてあったのかもしれないけど。
すぐに動かせるお金はある程度あった方がいいですよ。
次回、財形住宅貯蓄を利用するかの結論を書きます。