通常木造住宅には尺モジュールが使用されます。
尺モジュールとは
モジュール:規格単位、基本となるグリッド
1尺=約303mm
木造住宅は基本的に910mmグリッドで設計されています。
センチ法を取り入れる以前から日本建築で使用されていた尺モジュールが、住宅建築では現在でも使用されているのです。
最近ではm(メーター)モジュール=1mグリッドのHMも増えています。
上の画像はexcelで作成したものです。
尺モジュールを使えばだいたいの間取りはこのようにexcelでも設計できます。
しかしこの910mmモジュールは柱芯での寸法なので柱・ボードの厚みを考えると実際の有効寸法は78cmということになってしまいます。
人一人が通る最低寸法が60cmと言われているので廊下や階段として、すれ違ったり荷物を搬出入するには非常に狭いということがわかります。
なぜいまだに尺モジュールなのか
- 材料が尺モジュール(mモジュールもあります)
- 職人が尺モジュールに慣れている
- mモジュールのほうが広くなる=建設費が上がる
近代建築の三大巨匠と呼ばれるフランスの建築家ル・コルビュジエが提唱したモデュロールという寸法体系があります。
これは人が立って片手をあげた高さを226cmとして、それを黄金比で割る手法であり
「建築や、その他の機械の設計に普遍的に適用できる、人体の寸法に合わせて調和した寸法の範囲」
と評しています、要は人間が使いやすい寸法体系のことです。
日本の場合はそれが尺モジュールだったのでしょう。
確かに尺モジュールの住宅は必要最小限の住宅になっているとは思います。
しかし日本人の平均身長は年々延びているため、尺モジュールには合わなくなっているのではないかと個人的には思います。
今住んでいる住宅の扉の高さは180cmなのですが(一昔前までの標準)、177cmの夫が歩くときに頭をぶつけます。
ついでに家電も年々大きくなっています。
洗濯機や冷蔵庫のコンセント位置は設置機器の高さをよく確認してから決定しましょう。
mモジュールとの差額
1m × 1m=1㎡
0.91m×0.91m =0.8281㎡
1.2倍になります、LDKや部屋はmモジュールになっても尺モジュールの近似値をとれるのでさほど変わりはならないかもしれないですが、廊下・トイレ・玄関などは1.2倍になるので金額もアップします。
我が家は尺モジュールではありますが、余裕があれば階段を柱芯で1213mm(910+303mm)にしたかったのですが、30万アップになりそうなので断念した経緯があります。
住宅建築業界がmモジュールを使うようになればいいですね。