architecterの建物わっしょい

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新しい伝記の形 手と足で考えるー吉松秀樹の言葉

 

今日はとある本の紹介をします。

私も執筆に関わったこの本は、建築の大学教授 吉松秀樹 について書かれた「語録本」です。

 

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新しい伝記の形

 

通常ある人物について本にするときは自叙伝や伝記といった「その人物とはどういう人でどういう経歴があるか」を書かれているかと思います。

この本にはそういったまとめのような言葉は記されていません。

吉松秀樹と関わった生徒、友人知人総勢230名が著者となり、彼と交わした会話から、何を感じたかを記しています。

 

たくさんの人の語録を集めた名言集のようなものは数あるでしょう、しかしこの本は何気ない会話や、生徒たちが心を動かされたような普段の言葉が記されています。

周囲の人に発した言葉から、その人の人となりを形作る新しい伝記の形「語録本」です。

 

建築学科の課題も載っている

 

建築系の学校に通っていない方にはなじみがない建築学科の課題が載っています。

お近くに建築学科の生徒がいた方にはわかるかもしれませんが、無駄にバカでかい袋や筒を持っていたあの連中です。

あのバカでかい袋には建物の模型が入っています。

蹴りを入れると発狂するので気を付けてください、筒のほうで攻撃してきます。

 

建築士がどのような課題を経て建築士になるのか、普段表には出ないような課題内容もこの本では垣間見ることができます。(建築学科を卒業しなくても建築士にはなれます)

 

 

2冊セット

 

本は2部構成になっており、「手で考える」には35歳以上のシニア世代の語録と設計課題が記されています。

 

手で考えるー吉松秀樹の言葉

 

「足で考える」には35歳未満のジュニア世代の物語が記されています。

年代を経て吉松秀樹の言葉がどのように変化していったかも見ものですよ。

 

足で考えるー吉松秀樹の言葉

 

ばら売りもされており、1冊1100円のお求めやすい価格になっております。

 

残念ながら大学教授の中には自分の研究や設計に重きを置いて生徒指導をおろそかにする先生もいます。

しかしこの吉松秀樹は全身全霊をかけ生徒を教え続けてきました。

 

この本は本人が出版したものではありません、彼の教え子たちが自ら提案した自費出版本です。

内容から構成、デザイン、装丁まで教え子たちが手掛けました。

人を教えるとはどういうことか、育てるとは、そして教え子たちの仕上がりを、ぜひお手に取ってご覧ください。

 

手と足で考えるー吉松秀樹の言葉