architecterの建物わっしょい

注文住宅の土地探し・設計&DIY・キャンプなど

良好地盤なのに鋼管杭工法をしたわけ 注文住宅

 

今回は地盤のお話。

 

 

 

土地選び、地盤に関しては博打のようなもの

 

注文住宅の場合は土地を買ってから地盤調査を行うので博打な部分があります。

我が家は良好な地盤の土地を選ぶよう慎重に調べました。

 

避けた土地

 

  • 低地・盆地
  • 川・池など水辺
  • 水害・土砂災害があった場所
  • 昔田んぼや沼地だったところ
  • がけ地

 

上記はこのサイトで確認しました。

 

supportmap.jp

 

地盤というものは掘ってみないとわからないのであくまで参考程度です。

地下水が多そうな水辺や低地は高い確率で地盤対策が必要なので避けました。

 

活断層の真上を避けたら安心?

 

活断層の近くでは地震の被害は大きくなります、

しかし活断層を避けたからと言って地震の被害が少ないとは限りません。

現に活断層と離れたところの方が被害が大きい地震や、まだ見つかっていない活断層も多くあります。

 がけ崩れや隣家が倒れてきて大きな被害にあうなど様々なケースを想定して地震に備えてください。

 

地震による死亡原因の第2位は家具の下敷きなので家具の転倒防止・寝室に大きな家具を置かないなどの対策を徹底してください。

 

 地盤改良の方法 

 

改良なし<表層改良<柱状改良<杭工法

 

地盤改良の方法には大きく分けて上記に分けられます。

右に行くほど地盤改良が必要な深さが深く、費用が高くなります。

 

我が家が依頼した建設会社が受持った物件では7割の物件で地盤改良が必要だと言っていました。

 

 

我が家の地盤調査結果

 

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通常一軒家の地盤調査はスウェーデン式サウンディング試験を行います。

建物の四方と真ん中を調査し上記画像はその一部分です。

グラフの棒が赤いラインを超えていれば大体良好な地盤であると言えます、建物の基礎のために25cm以上は掘るので基礎下は赤いラインを超えているので良好地盤と言えます。

(地下水の有無や周辺状況で変わります、詳しくは調査会社へ聞いてください)

 

地盤調査の結果、我が家の土地は良好地盤であることが判明しました。

地下水もなく地盤改良をするとしても基礎の下に敷く砕石を少し厚くする程度で済むと。

 

しかし調査会社から鋼管杭工法での地盤改良が必要だと勧められたのです。

その金額86万円。

 

 

 

良好地盤なのに鋼管杭工法になったわけ

 

 

我が家の敷地は隣地と高低差があります。

 

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がけ条例によりがけ下より安息角以内に基礎が来る時は崩れないための措置が必要です。

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そのために鋼管杭工法が必要になったのです。

以前トラブルのあった土地でがけ条例はいやというほど知っていたのに、またもがけ条例に苦しめられることになるのです。

 

しかも必要な杭は下画像の赤い部分だけ。

 

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赤い部分だけ杭打つことはできないかと相談しましたが、その場合保証がきかない、確認申請も通らないといわれました。

 

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杭工法以外で安息角をクリアする方法

 

建てる位置をずらす

 

一番簡単なのは安息角の外に建てることです。

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しかし我が家もそうですが敷地には限りがありどうしてもがけから近いところに建てざるを得ないことがあります。

 

擁壁をやり直す

 

我が家にあるがけは擁壁+ブロックです、この擁壁をすべてやり直して役所の許可を得られれば杭基礎の必要はなかったそうです。

しかし擁壁をやり直すとなると数百万の費用と数か月の工期が必要になります。

 

深基礎にする

 

基礎の底部が安息角を下回ればいいので基礎をのばす方法です。

我が家は道路側とも50cmほどの高低差があるので一部深基礎になっています。

その費用はGL-600~700で35000円/mです。

 

しかしがけ側を深基礎にする場合、がけの擁壁が崩れないようにするために土止めが必要なので杭工法より高くつく場合があります

 

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片持ち基礎にする

 

どうやら片持ち基礎という基礎の方法があるそうです。

ただ構造計算が必要になるかもしれないなので詳しくは早めに設計に相談してください。

 

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地盤改良に関してはもっと早く対策をとっていれば杭工法ではない他の安価な方法も検討できました、しかし地盤改良の直前に気づいたため高価な鋼管杭工法を採用せざるを得なくなりました。

 

これは私の落ち度です、86万は痛いですね。

80万円は最初から地盤改良費用として見積もりに入っていたので予定より6万アップとなりました。

 

教訓:敷地に高低差がある場合は安息角の検討を設計前からするべし!

 

 

 

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